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メジャーの大谷選手やダルビッシュ選手も受けたトミージョン手術ってどんな手術?リハビリ内容も含めて紹介します! 

メジャーの大谷選手やダルビッシュ選手も受けたトミージョン手術ってどんな手術?リハビリ内容も含めて紹介します! 

去年大谷選手が肘の手術であるトミージョン手術を受け、衝撃を受けたという日本人は僕も含めかなり多いと思います。ダルビッシュ選手も過去に受けたことにあるトミージョン手術、どんな手術なのでしょうか?リハビリも含めて解説します! 

トミージョン手術ってどんな手術? 

トミージョン手術とは通称で、正式には肘の内側にある内側側副靱帯再建術と呼びます。

この手術を初めて受けた選手の名前にちなんで、トミージョンと呼ばれています。

手術内容としては、トミージョン手術をする側と反対の、手首の筋肉である長掌筋というスジっぽい筋肉を切り取って切れた靭帯の代わりにする手術です。

この筋肉は人によっては欠損している筋肉なのですが、欠損していても困りません。つまり、手術で切り取ってしまっても困らない筋肉なのです。そのため壊れてしまった靭帯の代わりとして活躍します。 

内側側副靱帯の役割は?どうして壊れてしまうの? 

内側側副靱帯の役割は肘の内側から肘を支えて、肘が外側に向きすぎないようにするブレーキの役割を果たします。

野球の投球動作では手を挙げ、肘を曲げた状態で内側にひねりながら投げます。その際に、肘の外側は縮む力が、内側には伸ばされる力が働きます。つまり、肘の内側側副靱帯が引っ張られるような力が働くわけですね。引っ張られすぎることで力に耐え切れず、切れてしまうというわけです。 

内側側副靱帯は投球動作を繰り返すと必ず切れるもの? 

上記のような書き方をすれば投げると必ず切れると思われる方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。

投球動作は腕だけでなく体全体で行います。

足を踏み出し、踏み出した足に重心を移動させつつ体をひねり、足で踏ん張る力と体をひねる力を肩に伝えつつ腕のひねりとスナップで投げます。そのため、体を上手に使えば腕にかかる負担を減らすことが可能です。 

トミージョン手術を受けると復帰までどのくらいかかるの? 

トミージョン手術を受ける選手はほとんどが投手です。

投手の場合、MLB公式サイトが12〜16ヶ月かかると紹介しています。キャッチボールまで4ヶ月ワインドアップまで6ヶ月マウンドからの投球が7ヶ月で、そこから復帰まで靭帯の再損傷を防ぐためのフォーム固めを行なって初めて復帰となります。

ただ、バッターの場合はその限りではありません半年もあれば靭帯自体は回復するとされています。そのため、大谷選手も手術から半年くらいでバッターとして復帰しましたね。ただ投げるだけなら半年もあればできる可能性があるのですが、問題は再断裂しないということなので復帰まで時間がかかるというわけです。 

トミージョン手術のリハビリ内容は? 

トミージョン手術後、10日くらいは固定されますので肘は動かせません、その間は肘でなく手首や肩を動かして肘の筋肉が完全に固まることを予防します。

固定が外れたら、少しずつ動かします。およそ2ヶ月かけて可動域を取り戻すためのリハビリを行います。

この時、人によっては痛みが出てかなり苦労する場合もありますが、こればかりは個人差が大きいため、執刀医にも理学療法士にもどうなるかわかりません。痛みや逃避反応を見ながら、徐々に動かしていきます。 

可動域が元に戻り、投球動作を行えるだけの可動域を再獲得できたら徐々に筋力強化に入っていきます。ウエイトをかけるトレーニングを徐々に始めていき、同時進行で体幹や股関節の柔軟などのリハビリを進めていきます。特にこの他部位のリハビリが重要となります。

肘に負担がかかる原因の多くは股関節や体幹の筋力・柔軟性の低下に伴い、肘の力で無理やり投げようとするための可能性が高いです。そのため、肘を強くするためのリハビリを並行して他部位の動きをしっかりと引き出すことが重要です。 

こういったリハビリを継続しつつ、4ヶ月頃からキャッチボールを再開します。しかしこの時に重要なことがキャッチボールでボールを投げることではなく、体を使ってボールを投げる感覚を養うことが重要です。

特に投手の場合は肘にかなり負担をかけることになりますので、早い段階から体全体を使って投げる感覚を養うようにリハビリを繰り返します。 

7ヶ月くらいになるとマウンドからの投球を行います。この段階になると、ウエイトトレーニングもしっかりと行います。

関節の支持をする組織は大きく分けて骨・靭帯・筋肉ですが、このうち鍛えられるのは筋肉だけです。

マウンドから投球できる段階になれば靭帯もしっかりと再生している段階になっているため、ウエイトをしっかりとかけたトレーニングも行います。

復帰までの期間、長い時間をかけて投球フォームの確認を行います。しっかりと足の力で踏ん張り、体をひねり、肘に負担をかけないような投球ができるように繰り返しフォームを確認する作業をしていきます。 

トミージョン手術をしたら球が速くなるの? 

トミージョン手術を受けた選手が復帰した後、球速が上がっているケースが多くトミージョンを受ければ球が速くなるという噂がささやかれました。

実際にはトミージョンを受けたから球が速くなるというわけではありません。

上述した通り、投球動作は体全体の動作です。トミージョン手術を受けると、しばらくは肘に負担をかけるようなことはできません。

そのため、体幹や下半身を鍛えることになります。その過程で体の使い方が手術前より上手になり、球速が上がるというケースがあったのです。

トミージョン=球速アップという魔法ではないので、注意しましょう。 

まとめ 

野球選手、特に投手の多くはトミージョン手術を受けるような時代になりました。

長期離脱は避けられませんが、患部外トレーニングによってパフォーマンスが上がるパターンもあります。

投手として大谷選手がパワーアップしているかわかりませんが、来シーズンの復帰が楽しみですね! 

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