ネプチューンの名倉潤さんを襲った頚椎椎間板ヘルニアとは?どんなリハビリをするの?
2019年8月にネプチューンの名倉潤さんがうつ病のため、休業すると発表されました。うつ病になった原因とされるのが頚椎椎間板ヘルニアという病気だそうです。この頚椎椎間板ヘルニアとはどのような病気なのでしょうか?リハビリの内容も含めて説明していきます。
頚椎椎間板ヘルニアとは?どんな病気?
頚椎椎間板ヘルニアとは、頚椎という首の骨と骨との間にある椎間板と呼ばれるクッションが、何らかの原因で押しつぶされることで本来あるべき場所から後ろに飛び出し、神経を圧迫する病気です。神経を圧迫されることで、首の痛みのほか手のしびれや痛み、筋力低下や感覚異常などの症状を引き起こします。多くは首や手に症状が出ますが、神経の圧迫が大きくなってくると頸髄症と呼ばれる疾患に移行し、手だけでなく足も動かしにくくなってしまうなどの症状が出ます。
どんな治療をするの?
椎間板の後方脱出の程度によりますが、多くの場合は保存療法で治療していきます。痛み止めの内服に加えて、牽引と呼ばれる機械で首を引っ張って潰されている椎間板を解放するなどのリハビリをし、症状が強い場合には頚椎カラーと呼ばれる装具を使って首を安静に保つようにします。
症状が大きく、保存療法での改善が見込めない場合には手術に踏み切ります。その場合は脱出した椎間板を取り除く処置を行い、神経から圧迫を解放します。
頚椎椎間板ヘルニアになったらみんなうつ病になるの?
名倉潤さんは頚椎椎間板ヘルニアによる痛みによってうつ病を発症したとされます。では頚椎椎間板ヘルニアになった方は全員うつ病になるのでしょうか?
結論はそんなことはありません。
頚椎椎間板ヘルニアに限らず、人は痛みを始め、慢性的なストレスを感じるとストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌されます。
このコルチゾールが過剰に分泌されることで脳にダメージが与えられ、うつ病になると言われています。
コルチゾールは通常であれば一定量分泌されれば分泌が止まるのですが、体質によっては分泌が止まらず過剰に分泌される場合があります。そのため、人によっては慢性的なストレスによってうつ病を発症しやすくなってしまいます。
うつ病を回避するためにはどうしたら良いの?
コルチゾールというホルモンは運動によって体内から減少していく傾向にあります。通常であれば運動した後には休息が必要になりますが、コルチゾールが体内にあったら休息できなくなってしまいます。そのため、有酸素運動などをすると体内のコルチゾールを減らすように働きかけるため、運動によってコルチゾールを低下させることがうつ病対策にもなり得ます。
頚椎椎間板ヘルニアのリハビリはどんなことをするの?
頸椎とは本来後ろに反っている骨です。それが何らかの原因で前向きに倒れてしまい、クッションである椎間板を押しつぶしてしまうことが頸椎椎間板ヘルニアになってしまう大きな原因となります。そのため、頸椎椎間板ヘルニアの大きな目標としては前に倒れている頸椎を元に戻すようにリハビリで考えていきます。
ここで重要になってくるのが姿勢です。頸椎椎間板ヘルニアの患者さんをはじめ、肩こりなどの症状を感じる現代人の多くは「ストレートネック」であると言われます。これは後ろに反っているはずの頸椎が前に倒れ、まっすぐに見えている状態のことを指します。つまり、椎間板が押しつぶされている状態です。
ストレートネックの方はスマホの見過ぎの方や、デスクワークの方に多く見られます。画面に向かって頭を突き出すような姿勢になって猫背になります。猫背になると通常であれば、胸の重心が後ろにずれてしまいます。座った途端に背中が丸くなる人なんかはそうです。重心が後ろにあるため、そのままでは後ろに倒れてしまいますので何とかバランスを取らなければなりません。そこで多くの人は頭を前に突き出すことで胸と頭とのバランスを保とうとします。つまり、頸椎は前に倒れてストレートネックが出来上がるのです。
つまり、ストレートネックを治す=頸椎椎間板ヘルニアの治療をするためには頸椎のみ元の位置関係に戻しても意味がありません。丸くなった背中まで元に戻していくことを考える必要があります。このように、姿勢に対してアプローチしていくことが多いです。
具体的にはどうしたら良いの?
姿勢を改善する場合にまず考えることは、股関節・骨盤・脊柱・肋骨・肩甲骨といった骨・関節がしっかりと動くかどうかを確かめます。
もし動かない骨・関節があるのに姿勢を正そうとしても、その動かない部分に無理な負担がかかり、痛みなどの症状につながってしまいます。もし動かない部分があればまずその部分の動きを取り戻します。
骨や関節自体が老化とともに固くなる場合もありますし、その周囲についている筋肉が硬くなっている場合もあります。自分で動かすようなストレッチや、理学療法士によって関節を動かすようなことも取り入れて骨・関節の動きを引き出します。
その上で筋力強化を行います。人には頭の先から足の先までついている姿勢保持筋と呼ばれる筋肉が多数存在します。それらの筋肉が弱くなれば、その筋肉が関わる関節の支えが弱くなり、姿勢が崩れます。例えば、背骨を反らす働きがある脊柱起立筋が弱くなると背骨を反る力が弱くなるために、脊柱がどんどん丸くなってしまいます。お腹の筋肉が弱くなっても同じです。お腹から背骨を支えることができず、背骨が後ろにどんどん倒れます。
そのため、姿勢改善のためにはこの姿勢保持菌が正常に働くかどうかを見極めます。動作や姿勢確認によってどの筋肉が弱いのかを検査し、弱さが見られる筋肉に対して筋トレを行います。
これは人によって弱くなっている筋肉は大きく違うためどこを鍛えたら姿勢が良くなるということはあまり言えません。
しかし、姿勢が悪い方の多くは体幹インナーマッスルと呼ばれる筋肉が弱くなっています。そのため、頸椎椎間板ヘルニアでもコアトレーニングと呼ばれるような運動を処方することが多くあります。
まとめ
頸椎椎間板ヘルニアといえば首の病気のため、首に対しての治療が主と思われがちですが、その実全身に対してアプローチをしていく必要があります。原因は人によって様々ですが、体幹のバランスを整えることが必要になりますので、気になる方は近医の理学療法士に相談しましょう。