健康

家庭にあるもので自分だけのインソールを作ろう!〜人の動き方は 4パターンに分けられる〜

家庭にあるもので自分だけのインソールを作ろう!〜人の動き方は4パターンに分けられる〜

東京都荻窪にあります増本整形外科クリニックという場所で理学療法士をしています安田 智彦と申します。 私は普段、運動器疾患の外来リハビリやインソール作成を行っています。

そこで今回、家庭であるもので自分だけのインソールが作れるような記事を書いていきた いと思います。

よろしくお願いいたします。

インソールが及ぼす効果

インソールとはいわゆる中敷きの事です。日常生活を送っていたり、スポーツを行っているとどこかが痛かったり、筋肉が張ってきたりします。

大体痛む場所や筋肉が張ってくる場所は動きの中で負担をかけている場所です。

例えば、右太ももの外側が痛くなったり、張ったりする方は太もも外側の筋に負担がかかっ ていることが多いです。そして、負担をかけるような動き(右足を着くときに外側に体重が 流れる等)が出ていることが多いです。

良いインソールはそんな動きを真っすぐしてくれ、運動や日常生活の中で痛みが少 ない・負担がかかりにくい動きに誘導してくれます。

なのでインソールは動きをキレイに正し、運動効率を上げてくれる道具です。

私が作っている入谷式インソールとは

インソールの中でもいろいろなものがあり、中でも私は“入谷式インソール“というも のを作っています。 このインソールは理学療法士の入谷誠先生が作ったもので、人の動きを見て、動きに合 わせて作るとても個別性が高いインソールです!

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多くのインソールとの違い

多くのインソールは立った状態での足の形に合わせて作っていました。このようなインソ ールで良くなる方も大勢いますが、先程も言ったように痛みや不調が出るのは動いているときです!

なので動いているときの姿勢等を見てインソールを作らなければより良いものは作れませ んし、作った後に不調が生じやすいです。 その分時間はかかりますが、個別性に特化したその人だけの世界に 1 つだけのインソール と言えます。

まとめると、入谷式インソールは動きに合わせて作る、個別性に特化したインソールです!

入谷式インソールのデメリット

先程述べたように入谷式インソールは確実性が高く、個別性に特化したものです。 その分、1 足作るのにとても時間がかかってしまいます。

私が提供する場合は 2 時間程度かかってしまいます。 そのため、量産することができません。 しかし、入谷式インソールは個別性に特化していますが、ある程度人の動きには傾向が あり、大まかに4つのパターンのタイプに分類することができます。 

一番は入谷式インソールを作れる方に作ってもらうことが良いですが、手間がかかるので

今回、入谷式インソールの考えを掻い摘んで自宅でも作れる簡単イ ンソールをご紹介します!

4スタンス理論 〜人の動きは4パターンに分けられる〜

人の動き方には傾向があり、4つのタイプに分類することができると述べました。 この考えは4スタンス理論という考え方に通ずるものがあります。 

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4 スタンス理論とは足の裏を 4 分割してどこに重心を乗せたほうが運動効率の良 い・キレイな動きになるかというものです。 

この 4 つはそれぞれ

  • A1 タイプ:つま先内側荷重
  • A2 タイプ:つま先外側荷重
  • B1 タイプ:踵内側荷重
  • B2 タイプ:踵外側荷重

に分けられます。

注意していただきたいのが、どのタイプだから良い・悪いというものではなく各個 人に合ったタイプの重心位置になることが大事ということです。 例えば、A1タイプの方に B2 タイプにもっていくようなインソールを作ってしまうと運動 効率・動きがキレイではなくなり、どこかしらに痛みや不調が生じてしまいます。 

4ステップで自分だけのインソールを作ろう

4つのステップを踏んで自分だけのインソールを作ってみましょう!

インソール作成に必要なもの

  • 靴から外せる中敷き
  • 布ガムテープ(大体厚さ 0.2 mmです) 

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ステップ1

中敷きに1〜5のマーキングをしよう!

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ステップ 1-1

内くるぶしの真下(赤線)に印をつけましょう。

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ステップ 1-2

母指球の終わり(赤線)に印をつけましょう。

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ステップ 1-3

小指(つま先側)から辿ると凹ッとした凹みがあります(赤線)。赤線部に印をつけましょう。

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ステップ 1-4

薬指の下にたどると骨があります。その骨の真下に印をつけましょう。

人差し指も同様に行い、印をつけましょう。

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ステップ2

中敷き裏に図の位置通りガムテープを張り付けてみましょう。 *ガムテープは5枚重ねにして貼ってください 

A1タイプ 

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A2タイプ 

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B1タイプ 

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B2タイプ 

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ステップ3

4種類のタイプのインソールを履いてみよう!

素足の歩きに比べて最も動きやすいインソールを選びましょう! 

 

歩きやすいの判断基準

  • 素足と比べて片脚立ちが安定するもの
  • 歩いた際に前に進みやすいもの
  • 左右にブレにくいもの
  • 痛みが少ないもの

 

左:良い片脚 右:悪い片脚

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ステップ4

完成!

実際に履いて生活してみましょう。

タイプ別によるセルフケア

ここまでで A1・A2・B1・B2 タイプのインソールでどれが良かったかを決めていただいた と思います。 

4タイプそれぞれには緩めたほうが良い筋肉・鍛えたほうが良い筋肉に特徴があるのでそ のこともお伝えしておきます! 

タイプ別で緩めたほうが良い筋・鍛えたほうが良い筋

A1 タイプ のセルフケア方法

緩めたほうが良い筋

  1. 首の後側の筋・胸の筋・腰の筋
  2. お尻の筋・もも裏の筋・脛の筋

鍛えたほうが良い筋

  1. 首を曲げる筋・胸を張る筋・腰を丸める筋
  2. 付け根前の筋・膝を伸ばす筋・足首を下げる筋

 

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A2 タイプのセルフケア方法

緩めたほうが良い筋

  1. 首の後側の筋・胸の筋・腰の筋
  2. 付け根前の筋・もも前の筋・ふくらはぎの筋

鍛えたほうが良い筋

  1. 首を曲げる筋・胸を張る筋・腰を丸める筋
  2. お尻の筋・膝を曲げる筋・足首を曲げる筋

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B1 タイプのセルフケア方法

緩めたほうが良い筋

  1. 首の前の筋・肩甲骨周りの筋・お腹の筋
  2. お尻の筋・もも裏の筋・脛の筋

鍛えたほうが良い筋 

  1. 首を反らす筋・胸を丸める筋・腰を反らす筋
  2. 付け根前の筋・膝を伸ばす筋・足首を下げる筋

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B2 タイプのセルフケア方法

緩めたほうが良い筋

  1. 首の前の筋・肩甲骨周りの筋・お腹の筋
  2. 付け根前の筋・もも前の筋・ふくらはぎの筋

鍛えたほうが良い筋 

  1. 首を反らす筋・胸を丸める筋・腰を反らす筋
  2. お尻の筋・膝を曲げる筋・足首を曲げる筋

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具体的なマッサージ・筋トレ

A1 タイプ 

マッサージポイント
  • 首の後側の筋
  • 胸の筋
  • 腰の筋お尻の筋
  • もも裏の筋
  • 脛の筋
筋トレ

各運動10回~15回×2セット

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A2 タイプ

マッサージポイント 
  • 首の後側の筋
  • 胸の筋
  • 腰の筋
  • 付け根前の筋
  • もも前の筋
  • ふくらはぎの筋
筋トレ

各運動10回~15回×2セット 

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B1 タイプ

マッサージポイント 
  • 首の前の筋
  • 肩甲骨周りの筋
  • お腹の筋
  • お尻の筋
  • もも裏の筋
  • 脛の筋
筋トレ

各運動10回~15回×2セット

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B2 タイプ

マッサージポイント 
  • 首の前の筋
  • 肩甲骨周りの筋
  • お腹の筋
  • 付け根前の筋
  • もも前の筋
  • ふくらはぎの筋
筋トレ

各運動10回~15回×2セット

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まとめ

必ず人の動きには特徴があり、自分に合ったインソール・運動を行わないと体 を壊してしまうことがあります。 そのためこれまで述べた考えはとても大切になってきます。 スポーツをしている方等は運動前にタイプ別の運動を行っていただくと運動効率が上がり、 より良いパフォーマンスができると考えます。 

ぜひ作ってみてください!

皆さんにとってインソールが身近なものになれば幸いです。

 

執筆:増本整形外科クリニック 理学療法士 安田智彦

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