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小児分野の理学療法ってどんなことをするの?小児分野に就職・転職するときに知っておきたいこととは?

小児分野の理学療法ってどんなことをするの?小児分野に就職・転職するときに知っておきたいこととは? 

理学療法士の仕事と聞いてまっさきに思い浮かぶのが転倒して骨折してしまった場合や、スポーツなどで捻挫してしまった場合に病院でリハビリ治療をうけることを想像するのではないでしょうか。 

理学療法士の分野で特に多い分野はこういった整形分野や脳梗塞などの方のリハビリを行う中枢分野がほとんどではないかと思います。 

これ以外にも理学療法には呼吸・循環・代謝などの分野がありますが、そんな数多くある理学療法の分野の中でも小児分野は特に特殊な分野であると言われています。 

今回は、そんな小児分野における理学療法士の役割と小児分野に就職・転職するときに知っておきたいことについて考えていきたいと思います。 

小児分野の理学療法の対象となる疾患とは? 

まず、小児分野の理学療法の対象となる疾患についてですが、主に肢体不自由の方の理学療法を実施するので、身体的に障がいを抱えている子どもたちが対象となります。 

例えば、身体に麻痺症状が見られる脳性まひ、先天的に染色体の異常が見られることで運動発達が遅れてしまう染色体異常、出生時は特に問題がないけれども徐々に筋力が低下していく筋ジストロフィーなどの疾患が代表的な疾患です。 

また、最近では自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)などのいわゆる発達障害と呼ばれる子どもたちにも、知的・精神・情緒面の障がいだけではなく身体運動面での不器用さが見られることが知られるようになってきたため、理学療法士が運動面で関わることが多くなってきています。 

こういった出生時または幼少期に運動面で障がいを抱える子どもたちが小児分野の理学療法士の対象となります。 

また、身体運動面に障がいを抱える子どもたちもやがて大人になります。 

最近は少子高齢化に伴い小児分野だからといって子どもたちばかりが対象となるのではなく、こういった小児疾患を抱える大人も小児理学療法の対象として増加してきています。 

実際にどのような理学療法を行うのか? 

小児分野の理学療法だからといって何か特別な理学療法を実施しなければならないというわけではありません。 

基本的にはその子の障がいの特性を理解して「発達」を視野に入れながらどのような身体運動機能を獲得していけばよいのかということを考えることが重要です。 

例えば、杖など何も使用しない状態では歩くことが困難な就学前の脳性まひの子どもさんであれば、小学校に入学したときにどのようにして学校内を移動するのかということや、学校まではどのようにして通学するのかということを考える必要性があります。 

他の分野の理学療法士にも言えることかもしれませんが、まずは目の前にいる患者さんにとって日常生活内において今何が必要で、今後どのようにしていきたいのかということを理解して、そのために身体機能を高めていくということが大切です。 

小児分野の理学療法だからといって特別な理学療法技術が必要というわけではなく、身体機能面から見た評価をしっかり行うことが問われるということですね。 

小児分野における理学療法の注意点とは? 

ただ小児分野は他の分野にはない知識が要求されるのは事実です。 

各養成校においても小児分野は必須の科目なので、当然どの理学療法士であっても一度は小児分野を学習しているはずですが、理学療法士は実習で経験した分野がその後の仕事に影響されやすい傾向があります。 

小児分野を扱っている病院や施設は少なく、実習先として多い分野は整形分野や中枢分野といった病院や施設がほとんどです。 

そのため、小児分野に興味があってもそもそも小児分野の病院がなく学生の時期から実習として経験することが困難になってしまいやすい傾向があります。 

また、小児分野に携わっている理学療法士自体の数が少ないことも問題です。 

臨床実習を指導できる理学療法士は、ある程度経験を積んだ理学療法士でなければ指導を行うことができません。 

小児分野に携わる理学療法士の数自体が少ないということは、臨床実習を指導できる理学療法士も少なくなってしまいます。 

こういった理学療法士になる前の段階である学生のときから既に小児分野は経験することが希少であるということも、小児分野の特殊性を際立たせているのかもしれません。 

小児分野に就職・転職するときに気をつけなければならないこととは? 

まず就職を考えている学生の時期は、積極的に実習で小児分野の病院や施設を希望することをおすすめします。 

前述したように小児分野は理学療法士養成課程において必須の分野ですが、座学での学習より実習で経験した実体験のほうが圧倒的に自身の経験として残ります。 

学生の時から実際に臨床の場面で障がいをもった子どもたちと関わることで、小児分野の理学療法とはどのような仕事なのか理解しやすくなると思います。 

では実際に学生時代に小児と関わる機会がない場合はどうすればよいのでしょうか。 

実習先が選べない場合が多い理学療法士の実習体制により、学生時代に小児分野を経験したくてもできない場合がありますが、そういった場合には就職する前にしっかり「正常発達」を学習することが大事です。 

正常発達を学習することは、小児分野の理学療法士にとって必須の知識です。 

特に出生してから歩き始めるまでの1歳前後までは運動発達が活発に起こる時期です。 

最低限この時期までの運動発達はしっかり学習しておくことが大切です。 

また、就職する病院や施設の新人研修がしっかり行われているのかということを確認することも大切です。 

子どもの治療を行うということは、大人の治療のようにこちらの意図したことを必ず行ってくれるわけではありません。 

さらに子どもだけではなく、ご家族(特に母親)のフォローも同時に行わなければなりません。 

こういった機能面ばかりに目を向けた治療法ではないということや、子どもを中心に家族のことを考えたフォローを行わなければならないということを研修を通して身につけていく必要性があります。 

実際私自身も就職してすぐに小児の担当をさせてもらったわけではなく、研修を受けたり治療も先輩と一緒に行ったりすることで徐々に慣れていきました。 

こういったことから小児分野はすぐに治療が行えるような分野ではなく、しっかり子どもに関わる心構えや発達の知識を習得していくことが大切であると思います。 

まとめ 

小児分野の理学療法は子どもの発達を視野に入れながら治療を行うという視点が必要であり、治療を行うときも思ったように治療を行うことができない場面も多くある分野です。 

また、小児分野を専門にしている病院・施設も少なく、小児分野に精通している理学療法士も限られているのが現状で、小児分野を学生の時期に経験したくてもできなかったり、就職してもすぐに小児を担当できなかったりすることもあります。 

そのため、小児分野は難しくて特別な分野であるという考えがあるのかもしれません。 

しかし、その分やりがいが多くある分野ですし、何より小さいときから大人になるまで担当している子どもたちの成長を間近で見ることができます。 

これは、他の分野にはない魅力の一つではないでしょうか。 

私自身は子どもたちと日々関わることで、自分自身も大きく成長させてもらっていると感じます。 

未だに小児分野の理学療法とはどういったものなのか手探りな状態ですが、この機会に少しでも小児分野に興味をもっていただければ幸いです。 

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