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転ばぬ先の住宅改修!介護保険でできる住宅改修とは? 

転ばぬ先の住宅改修!介護保険でできる住宅改修とは? 

年齢を重ねて高齢になっても、身体に障害を負ってしまっても、「できる限り自宅で生活したい」という方は多いでしょう。 

自宅をリフォーム(住宅改修)することで、高齢者でも障害を持っていても安全で生活しやすい環境を作ることができます。 

生活する方にとってバリアーをなくすことで、未然に事故を防いだり、介護する人の負担を減らしたり、ご本人の自立を支える助けになることが期待できます。 

住宅改修には費用が必要になりますが、介護保険を利用すれば自己負担を軽減することが可能です。 

そこで今回は、介護保険が適用される住宅改修の種類についてご紹介していきます。 

住宅改修における介護保険制度とは? 

一定条件を満たした住宅改修については、介護保険制度によって自己負担金の軽減を図ることができます。 

介護保険とは、65 歳以上の方(第1号被保険者)と、厚生労働省が指定する疾病と診断された40 歳から 64 歳までの医療保険加入者(第 2号被保険者)で、介護が必要な状態と認定された方が利用できる制度です。 

介護の必要量を表す介護度は、より軽い要支援1から、より重い要介護5まで7段階に分けられています。 

住宅改修制度については要支援1~要介護5まで補助の上限額は一律20万円と決められています。 

つまり、介護量が比較的少ない要支援1の方でも、より多くの介護が必要な要介護5と認定された方でも、補助金の金額は同じということです。 

介護保険適用の住宅改修の注意点 

介護保険制度を利用できる住宅改修には条件があり、すべての住宅改修に適用されるわけではないので注意が必要です。 

たとえば賃貸マンションなどで住宅改修後に原状復帰が必要となり、もとの状態に戻す工事は適用外となります。またすでに設置してある手すりや畳・フローリング等が老朽化したことを理由とした改修は、支給対象外となります。 

こういった費用については全額、自己負担となりますので、事前にケアマネージャーや施工業者としっかり内容を確認する必要があります。 

また、補助金額は上限20万円とご説明しましたが、「20万円までは自己負担0円で住宅改修できる」というわけではありません。 

介護サービスを利用する際、ご本人の収入によって1割~3割は自己負担で賄うことになっています。 

例えば、介護保険制度を利用できる住宅改修で10万円分の工事を行う場合、自己負担割合が1割の方は「1万円は自己負担、残り9万円は補助金を利用」となり、自己負担割合が3割の方は「3万円は自己負担、残り7万円は補助金を利用」ということになります。この場合、上限額20万円から利用分の10万円を差し引いた残り10万円分については、介護認定されている期間であればいつでも利用することができます。 

20万円分の補助金を使いきった場合、原則的に再度この制度を利用することはできません。ただし、「介護度が3段階以上あがった」場合や、「住まいを引っ越した」場合は、再度申請することが可能です。 

では、介護保険が適用される工事内容をみていきましょう。 

①段差の解消 

「段差の解消」を目的とした工事は、介護保険制度が適用されます。 

たとえば浴室と脱衣所の間の段差や、洋室と和室の間の敷居、屋外では門扉から玄関ドアまでの段差、玄関の上がり框の段差などは多くのご家庭でみかけますよね。 

視力・足の筋力が落ちた高齢者にとっては、ほんの数センチの小さな段差でもつまづいてしまう危険性があります。 

また、車椅子での移動が必要になった場合も、小さな段差は動きやすさに大きな影響を与えます。 

浴室の床をかさ上げしたり、和室の敷居を取り払ったり、屋内外に段差解消のためのスロープを設置することで、転倒のリスクを減らし、介護する人の負担軽減が期待できます。 

②手すりの取り付け 

廊下やトイレ、浴室、玄関、玄関から道路までの通路などに手すりを取り付けることで、転倒を予防することができます。 

手すりには持ち手(棒の部分)が床と並行になる「横手すり」と、床と垂直になる「縦手すり」があります。 

それぞれ目的が異なり、たとえばトイレで便器から立ち上がるような場面では縦手すりが有効になります。反対に廊下など歩いて移動するような場面では手をすべらせながら使える横手すりが良いでしょう。 

手すりの材質も、滑りにくいもの・温度変化に強く屋外に向いているもの・高齢者でも握りやすい太さのものなど様々です。 

なお、介護保険の適用には、手すりの取り付け工事を伴うことが必要です。 

③滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更 

近年、住宅の様式は和式から洋式へ移り変わっており、床の材質も畳ではなくフローリングを採用しているお宅が増えてきています。 

フローリングはお手入れがしやすく、車椅子でも移動しやすいメリットがありますが、他の床材に比べて滑りやすいというデメリットがあります。 

転倒予防のための滑りにくい床材は「コルクタイル・コルクフロア」や「クッションフロア」、「タイルカーペット」などが挙げられます。これらの床材の中には、滑りにくいだけではなく弾力性を備えているものがあります。万が一転んだ際にショックを吸収してくれるため、大きな事故を防げるというメリットがあります。 

また転倒が多い浴室の床も、滑りにくい材質のものに変更する工事は介護保険が適用されます。 

④引き戸等への扉の取替え 

多くの住宅は、室内の扉が開き戸となっていることが多いと思います。 

開き戸は、設置スペースが狭くても取り付けられるというメリットがありますが、車椅子での開け閉めが難しいという点と高齢者が扉の開閉時に転倒しやすいというデメリットがあります。 

車椅子を利用する方や高齢者にとって、安全に開閉しやすい扉としては「引き戸」が推奨されています。 

そこで開き戸を引き戸に変更する工事や、開き戸の扉自体を撤去する工事、ドアノブを使用しやすいものへ変更する工事は介護保険が適用されます。 

引き戸は開き戸に比べ広い設置スペースを必要としますが、スペースの確保が難しい場合はアコーディオンカーテンで代用することも可能です。 

⑤洋式便器等への便器の取替え 

昔建てられた住宅では、まだ和式トイレを使用している方も少なくありません。 

高齢になり足の筋力が落ちたり、足腰の痛みがある方にとって和式トイレを使い続けることは難しくなってきます。 

こういった和式トイレを洋式便器に交換する工事は、介護保険の支給対象となっています。 

⑥その他①~⑤の改修に伴って必要となる工事 

①~⑤までの工事を行う際、どうしても必要となる付帯工事が発生するケースがあります。 

例えば廊下に手すりを設置しようとしたときに、壁に下地材があらかじめ入っていなければ、下地材を使って壁の強度を補う工事が必要になります。 

そのほか、浴室の床のかさ上げ・便器の取り換えに伴う給排水設備工事も介護保険の支給対象となります。 

住宅改修の際に介護保険を使う手順とは 

では、住宅改修で介護保険を使うときにはどのような手続きが必要となるのでしょうか。 

冒頭でもご説明した通り、まずは介護認定を受けているという必要があります。介護認定を受けていない場合は、最寄りの「高齢者支援センター」で申し込むことができます。 

介護認定を受けている場合、まずは担当のケアマネージャーに相談してみましょう。 

普段の生活で困っている場面を明らかにすることで、本当に住宅改修が必要かどうか、またどの場所を優先して改修したほうが良いのかを一緒に考えていきます。 

その際、「住宅改修アドバイザー」という住宅改修の専門家も同席して検討を行う制度を導入している市区町村もあります。 

施工業者も交えて細かい話し合いを行い、見積り・契約を行います。そしてケアマネージャーや施工業者が市区町村に事前申請を行い、許可が下りてから着工となります。 

工事費用の支払い方法には二種類あります。1~3割の自己負担分のみを支払う「受領委任払い」と、いったん全額を施工業者に支払い、後日手続き後に市区町村から公費が支給される「償還払い」の2通りです。「受領委任払い」では、工事金額の全額を用意する必要がないため、多くの方が利用している制度です。ただし、施工業者によっては「受領委任払い」制度を導入していない場合があります。この場合は「償還払い」となりますので、事前に支払い方法についても確認しておきましょう。 

まとめ

介護保険制度を利用すれば、より少ない費用で住宅改修を行うことができます。 

また市区町村によっては、介護保険制度以外にも独自に住宅改修に関連する補助制度を立てている自治体もあります。 

住宅改修は大掛かりな工事となるケースもあります。時間に余裕をもってご家族と話し合い、どのような改修が必要なのかを考えていきましょう。 

住み慣れた我が家でいつまでも安全に暮らしたい方、暮らしてほしいと思うご家族には、ぜひ健康なうちから知識を持っていただければと思います。 

 

(参考資料)

町田市役所HP資料「元気に安心して生活するために住宅改修・福祉用具 介護保険を活用しよう!」 

町田市いきいき生活部介護保険課発行資料「住宅改修の手引き」 

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