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羽生結弦:約2~3カ月の加療が必要との見込み 右足関節外側靭帯損傷、右腓骨筋腱部損傷とは⁈

羽生結弦:約2~3カ月の加療が必要との見込み 右足関節外側靭帯損傷、右腓骨筋腱部損傷とは⁈

少し前のお話ですが、去年の11月羽生結弦選手が、ケガで欠場したニュースは記憶に新しいのではないでしょうか?無事今は復帰し、10月にはスケートカナダで優勝と素晴らしい活躍でしたね。
今回は当時を振り返り、羽生選手が苦労したであろう、右足関節外側靭帯損傷右腓骨筋腱部損傷の治療を解説したいと思います。

足関節外側靭帯損傷とは?

外側靭帯は総称で、前距腓靭帯踵腓靭帯後距腓靭帯を合わせて外側靭帯と呼びます。
簡単に言うと外くるぶしの周りに付いている靭帯の事です。
一般的には“捻挫”と言われる事もあり、軽視される事もありますが、アスリートにとっては気を付けなければならないケガの1つです。

なぜ気を付ける必要があるか?

それはケガの具合はもちろんですが、その頻回性にあります。
このケガはよく癖になりやすいと言われる程、誰でもなる可能性があります。
アスリートでなくても、誰もが一度は経験した事があるのではないでしょうか?
ケガの原因としては、小指側に足首を傾けた状態で、過度に体重がかかった際受傷します。
そのため、ジャンプした後の着地や、方向転換の際に生じやすいです。
まさしくフィギュアスケートの競技の際に、行う動作ばかりですね。

癖になるのは本当か?

回答としては“癖になる事が多い”が1番近いと思います。
まず第1にこの“癖になる”は誰から言われたか?少し考えてみてください。
………
はい、おそらく親または友人などから言われた方がほとんどではないでしょうか?
病院に行って言われる事はほぼ無いと思います。
では何故この言葉が浸透しているのか?
それは適切な治療を行っていない方が非常に多いからです。

靭帯とは?

身体にある靭帯は、骨と骨をまたいで付いており、骨が動かないように止めてくれています。
また筋肉と違い柔軟性がないため、動きに合わせて伸び縮みはしません。その性質により、強固な固定力があるわけです。
強い固定力がある反面一度靭帯が伸びてしまうと元に戻らない欠点があります。
もし身体から靭帯が無くなると、身体を支える事ができなくなり、床に崩れ落ちてしまいます。なんとか筋肉で支えれたとしても、変な方向に関節が曲がってしまうことでしょう。
“癖になる”=靭帯で支えれなくなった部分は固定力が少なくなり、関節が不安定になる。その結果、同じ部分をケガしやすくなる。という訳です。

靭帯に対する適切な治療とは!?

基本は冷却安静です。また必要に応じて、これ以上靭帯を傷付けないように、テーピングで関節を固定する事も重要です。
これを怠ると、医学用語ではありませんが“捻挫足”と呼ばれる足になる事が多いです。
捻挫の経験がある方は、足先を手で持ち親指側に曲げてみてください。
  • 左右を比べた時に、ケガした事のある足の方が大きく曲がる。
  • 動かした際に“こりっ、こりっ”と擦れる音がする。
上記のような事があれば“捻挫足”と言われる、靭帯を損傷し関節が不安定な状態になっています。
これはほっておいても問題ありませんが、運動をする際には同じようにケガをしやすいので注意してくださいね。

腓骨筋腱部損傷とは?

そしてこれだけでは済まず、羽生選手は腓骨筋腱まで損傷していました。
腓骨筋腱は、ふくらはぎから外くるぶしの後ろを通り小指の根元の辺りに付いています。
そのため、外側靭帯を痛めた衝撃がそのまま近くを通る腓骨筋も傷付けてしまった可能性が高いです。
そのため、ケガをした直後は筋肉・靭帯のどちらも支えが効いていない状態なので、右足に体重をかける事は難しかったと思います。ただ損傷で済んだのは不幸中の幸いと言えます。

腓骨筋腱部損傷より重度、腓骨筋腱脱臼とは?

外くるぶしの後ろを通っている腓骨筋腱が外からの衝撃により、ずれてしまう事があります。
そうなると、自力で治す事は難しく手術の適応となります。
損傷であれば早ければ1〜2週間の安静で治りますが、脱臼+手術となると、1〜2ヶ月の入院に加え1〜2ヶ月のリハビリが必要となります。

リハビリ内容

手術直後は右足に体重をかける事が出来ず、松葉杖などを使いながら1/3→1/2→2/3と徐々に体重をかけていく形となります。
また足首周りの筋肉が落ちるため、床に置いたタオルを指で掴む訓練や、足首に抵抗をかけ蹴る動作を繰り返し行っていきます。体重をかけれるようになると、初めてスクワットなどの実践的な訓練を実施していきます。
こういった形でリハビリを実施していた場合、今のように活躍できる時期は、もっと遅くなっていた事でしょう。

実際の演技への影響は!?

上述したように
  • 外側靭帯損傷による足関節の不安定性
  • 腓骨筋腱部損傷による、体重をかけた際の痛み。が主な症状となります。
そのため、ジャンプ全般は着地の際に支障をきたします。特に羽生選手が得意とする4回転ジャンプは困難だったと思います。
またジャンプ後の、コンビネーションやステップもタイミングが遅れて演技をする形になります。
ステップ時の右足で踏ん張る際には、バランスを崩しそうになりながらの演技だったでしょう。
特にフィギュアスケートのように、数センチのプレート1つで体を支えている競技にとって、足首が不安定な事は致命的だと言えます。

まとめ

足関節外側靭帯、腓骨筋腱部損傷の概要と、競技への影響を解説しました。
どちらのケガも“捻挫”と言われると、軽く考えがちですが、適切な治療を行わないと、何度も同じ部分をケガしてしまう、といった状況になりかねません。
ぜひこの記事を機会に、正しい知識でケガと向き合ってもらえると幸いです。
(参考文献)
運動連鎖〜リンクする身体:嶋田 智明、大峯 三郎
ネッター解剖学アトラス:相磯 貞和
標準整形外科学:達野勝彦

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