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自宅でも実践できるバランスパッドの使い方を紹介!高齢者の転倒予防におすすめです

自宅でも実践できるバランスパッドの使い方を紹介!高齢者の転倒予防におすすめです

「転倒予防にいい道具ってないの?」という方にはバランスパッドがお薦めです。パッドの上に乗ればいいというシンプルな使い方ですので、誰でも気軽に実践できます。今回は、値段もお手頃で購入しやすい、バランスパッドの使い方について、高齢者の方が自宅でも行える方法をご紹介します。

バランスパッドってどんな器具なの?

バランスパッドと聞いて、「バランス感覚を養う器具」というイメージを持つと思いますが、その通りで、転倒予防などに使用できます。まずは、どのような器具なのか特徴を紹介します。

バランスパッドのスペック

価格は3000円〜10000円程度で、amazonや楽天などの通販サイトでも気軽に購入できます。

約40×50cmの四角いクッションのようなもので、椅子に敷くクッションに比べて反発力があります。

一人が上に立つ程度のサイズですので、非常にコンパクトで場所も選ばず、厚みも6cm程度ですので、立てかけたり、隙間に入れたりしても問題ありません。

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バランスパッドの基本的な使い方

バランスパッドの上に立って、バランスを取るのが基本的な使い方です。似たような器具でバランスディスクという空気が入ったクッションがありますが、それに比べて固くて反発力があるので、上に立つだけならバランスを取るのが難しくないように感じるかもしれせん。

しかし、その微妙な不安定感がバランスパッドの特徴であり、バランス感覚を養うために効果的な点です。

 

バランスパッドがなぜ高齢者におすすめなの?おすすめのポイント3選

スペースも取らず、お求めやすい価格のバランスパッドですが、特に高齢者におすすめです。そこでおすすめのポイントを3点厳選してあげていきます。

安全に使える

いくら効果が高い機会でも安全性が低ければ、使いたくても使えません。その点、バランスパッドはそれほど不安定な素材ではないため、安全性が高い器具です。

もしふらついて怖かったり、バランスが取れなかったりする場合は、机や椅子の背もたれ、手すりなどを支えにしてもいいでしょう。

使い方が単純

バランスパッドの使い方の基本は上に乗るだけです。そして、上に立って足踏みやスクワットなどの運動を行うだけなので、使い方はいたって単純です。

そのため、病院や施設で使用するのはもちろん、適切な課題さえリハビリ専門職が提示すれば、自宅でも簡単に使用できるというメリットがあります。

転倒予防にピッタリ

高齢者にとって要介護度を招く大きな要因の一つが転倒なのは言うまでもありません。あとで紹介しますが、バランスパッドはバランス能力との関連性が示されており転倒予防のトレーニングとして活用できます。

そのため、高齢者のトレーニング器具として、非常に有用な器具なのです。

 

バランスバッドの転倒予防に対する効果

バランスパッドがいかに高齢者におすすめであるといっても、本当に効果があるのかどうか疑問に思われる方もいるかも知れません。

そこで、バランスパッドの効果を研究したデータをいくつか紹介します。

バランス能力の改善が早まる

Hiraseは(2015)は通所介護に通う高齢者に対してバランスパッドを使用してバランストレーニングをした場合と、バランスパッドを使用せずにバランストレーニングをした場合を比較して、トレーニング実施後にバランス能力の指標に差があったかどうかを調査しています。

その結果、バランスパッドを使用したほうが、早く片脚立位時間やタンデム肢位保持時間の改善が見られたと報告しています。

この結果から、バランストレーニングの効果をより早く出そうとした場合、バランスパッドを使用するのが良いことが示唆されます。

足関節によるバランス制御の機能を改善できる

高齢者は足関節の機能が低下することによりバランスの制御が難しくなってしまいます。出口ら(2008)は高齢者に対してバランスパッドを用いたエクササイズを実施したところ、用いずにエクササイズを行った場合と比べて、ファンクショナルリーチテストや片脚立位時間の改善が大きかったと報告しています。

そして、この要因はバランスパッドの使用による、足関節の機能が向上のためとしています。

バランスパッドで長く立てる高齢者は歩行レベルが高くて転倒しにくい

滝音ら(2014)の報告によると、杖を使用する高齢者より独歩の高齢者のほうが、長い時間バランスパッドに立つことができたとしています。

また、転倒した高齢者と転倒していない高齢者では、転倒していない高齢者の方が長い時間、バランスパッドの上に立てたとしています。

 

以上のように、高齢者を対象にしたバランスパッドの使用による変化を報告した研究はいくつかあります。

そして、バランスパッドの使用は高齢者のバランス機能の改善バランス能力の指標として活用できることが示唆されています。

 

バランスパッドを使った具体的な運動方法

ここからは、高齢者に対してバランスパッドを使った具体的な運動方法について紹介します。自宅でもできる単純な運動もたくさんあるので、ぜひ実践してみましょう。

ただ立つだけ!時間を測って効果を実感しましょう

最も簡単な使用方法はバランスパッドの上に立つだけという運動です。バランス機能が低下している場合は、床より不安定なバランスパッドに立つだけでもバランスが取れず、座り込む方もいます。

立つだけでもなかなかバランスが取りづらい方は、何秒立てるか時間を測っておけば、バランス能力が向上したことを知る指標になります。

バランスパッドを使ってロコトレをレベルアップ

高齢者の転倒予防のトレーニングとしては、ロコモーショントレーニング(以下ロコトレ)が有名です。ロコトレは日本整形外科学会による考案されたトレーニングで、「開眼片足立ち」「スクワット」が主なトレーニングです。

これをバランスパッド上で行うことで、トレーニングの難易度を上げることができます。

高齢者でもかなり元気な方で、普通のロコトレでは物足りないという方には、オススメな運動です。

バランスパッド上できる運動課題5選

バランスパッド上でできる運動は紹介したものの他にもたくさんあります。

そこで、お薦めの運動をいくつかあげてみます。

 

  1. バンザイやダンベル体操など上肢のトレーニングと組み合わせる
  2. パッドの上で重心を左右前後に移動する
  3. 左右交互に後ろに振り向く
  4. パッドからはみ出さないように足踏みする
  5. パッド上でつま先あげor踵あげ

 

以上のようにおすすめの運動を5つ紹介しました。ただ立つだけでなく、上肢の動きを組み合わせるだけで、上半身の動きに合わせてバランスをとるのが難しくなります。

また、重心移動を組み合わせると、自分自身がどちらの方向でバランスを崩しやすいか体験することができ、重点的にトレーニングをしたほうが良い方向を理解できます。

振り向く動作はバランスを司る前庭感覚のトレーニングになり、転倒予防にお薦めです。

その他、パッド上での足踏みつま先あげ踵あげなど様々なバリエーションで運動ができますので、いくつか組み合わせて行いましょう。

 

高齢者の転倒予防トレーニングにバランスパッドを活用しよう!

転倒予防のトレーニングは様々ですが、リハビリとして自宅などで行うことが重要です。しかし、なかなか時間が取れないという方も少なくないでしょう。

そこで、バランスパッドを活用して、より効率的なトレーニングの実践をすれば、時間の節約にもなります。

ぜひ、ご自宅のトレーニングとしてバランスパッドを活用して、転倒を予防しましょう!

 

 

 

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