前十字靭帯損傷の概要
前十字靭帯損傷とはサッカーやバレーボール、バスケットやアメフトなどスポーツ中に発生する膝の靭帯損傷です。
膝の中でも安定性に関与している重要な靭帯になります。
前十字靭帯とは?その役割
前十字靭帯は膝関節の中心に位置し、大腿骨と脛骨を結ぶ靭帯です。
大腿骨の後方から始まり、脛骨の前方に向かって走っています。
長さ1㎝、幅3~4㎝ある強靭な靭帯になります。
主に膝を伸ばした時に脛骨が前方に飛び出ないように制御したり、一緒にある後十字靭帯と一緒に働いて回旋の安定性を高めたりしています。
受傷機転
前十字靭帯損傷の受傷の仕方はラグビーのタックルのような接触型の受傷と、ダッシュからの切り返しやジャンプの着地時に受傷する非接触型に分けることができます。
そのうち約70%が非接触型の損傷であるといわれています。
特に膝がつま先より内側を向いている姿勢(knee-in)のまま体重をかけることで靭帯損傷しやすくなります。
また受傷するのは特に女性に多く、男性の2~8倍と言われています。
症状
前十字靭帯損傷後は膝の腫脹(血腫)、疼痛、可動域制限、不安定性が出現します。
また、普段の日常生活のなかで膝崩れが起きるようになります。
膝崩れとは、後ろから膝カックンされたときのような状態の事を言います。
膝崩れが起こる場合は早めに病院へ受診することをお勧めします。
治療法
治療法は手術療法と保存療法に分けられます。
前十字靭帯はほかの靭帯と違い自然治癒はほとんどしないと言われています。
そのためスポーツを続けたい方や膝崩れが頻繁に起こる方は手術療法を勧められることが多いです。
特に膝崩れが頻繁に起こってしまうと軟骨損傷を惹起し、変形性膝関節症に進行する可能性が高くなるので早めに病院を受診し専門医に相談したほうがいいでしょう。
手術後はリハビリを行っていきます。
特に大腿部の筋力強化を重点的に行っていきます。
それでもスポーツに復帰するには半年~1年はかかります。
根気よくリハビリを続けることが必要になってきます。
まとめ
今回は前十字靭帯損傷の症状や治療法について書きました。
前十字靭帯損傷はスポーツ現場ではよく見られる怪我になり、治療も長期間にわたります。
焦らず、じっくりとリハビリを行っていくことが重要です。