赤西さんが公演を中止した変形性腰椎症とは?
今年の4月、赤西仁さんが腰痛を理由に公園中止を発表し、その時に変形性腰椎症と診断されたと発表されました。この変形性腰椎症とは一体どんな病気なのでしょうか?症状からリハビリ内容まで紹介します。
変形性腰椎症とは?
変形性腰椎症とは、その名前の通り腰の骨である腰椎がなんらかの原因で変形している病気です。腰の骨は体の重心の近くにあり、体重が大きくかかる骨の一つです。そのため、体重を支えるために負担や衝撃がかかり、腰椎の間にある椎間板と呼ばれるクッションがどんどん潰されていきます。クッションが潰れて機能しなくなることで腰椎自体に衝撃が加わるようになり、次第に骨同士がぶつかってしまいます。このぶつかりによって骨には骨棘と呼ばれる棘ができ、変形してしまいます。この変形が起きたものを変形性腰椎症と呼びます。
どうして骨棘ができるの?
骨棘ができるメカニズムとしては、骨に過剰な刺激が入ることで骨が少し傷んでしまいます。この傷を修復する際に、より強く修復していこうとしてしまうのですが、その際に元の形よりも大きくなってしまいます。この盛り上がりが過剰になり、棘のように見えるのが骨棘です。
骨棘は刺激が入らなければできません。骨棘がよくできる部位としては踵、膝、腰椎とどれも体重がかかる骨にできやすいのが特徴です。スポーツをしている人では肘にできたりもしますが、多くの場合上述の3部位にできます。これらの骨の特徴として衝撃がかかること、また不安定になりやすいということです。衝撃が入ると骨としてはどうしても不安定になりやすくなります。言い換えれば、不安定な状態を安定させるために骨棘ができるという考え方もできます。
変形性腰椎症の症状は?
ほとんどの場合腰痛がメインになります。クッションが潰れていることで腰椎自体に衝撃がかかるのですが、その衝撃は骨だけでは吸収しきれません。そのため、周囲の筋肉にも負担がかかることになり、筋肉の痛みにつながる場合が多くあります。
そのほかにも、上述した骨棘が神経を刺激してしまい痛みにつながる場合もあります。これは稀なパターンですが、運が悪く神経に触れる形で骨棘ができてしまった場合には手術などをして取り除く必要があります。ほとんどの場合はそこまでの症状はなく、筋肉由来の痛みになるパターンがほとんどです。
ただし、神経に触れてしまっていた場合には重症化します。痛みはもちろん、しびれや感覚鈍麻といった症状が出ます。また、運悪く脊髄を圧迫する形で骨棘が形成されてしまえば、脊柱管狭窄症のような症状にもつながります。その場合、脱力や間欠性跛行などの症状が出ます。何れにしても、変形性腰椎症の場合はレントゲンで注意深く観察しなければなりません。
変形性腰椎症に対するリハビリはどんなことをするの?
上述した通り、変形性腰椎症は何らかの原因で腰椎の間にあるクッションが潰れることで腰椎の不安定感が増悪し、腰椎が変形してしまうことから始まります。リハビリではこの腰椎の不安定性を取り除くことから始めます。
腰椎自体が不安定になっているのか、他の関節の動きによって腰椎が不安定になっているのかによって考え方が変わってきます。まず腰椎自体が不安定になっている場合、その場合には腰椎自体を安定化させることを考えます。
例えば、体を後ろに反った時の動きに関して、本来であれば腰椎が前後左右に動くことなく、伸展という動きをして胸や頭を後ろに動かしていきます。もし不安定性があれば後ろに反っていくとともに前方へ大きく動いてしまいます。このような形で不安定性がある場合には腰椎自体の動きを止めるために腰椎の安定性を出すために筋力強化を行います。いわゆる体幹と呼ばれる筋肉の促通が中心になります。この体幹を鍛えていきながら、日常生活の動作を行うことを行います。
他の関節の影響で不安定性になっている場合には、その他の関節に対してのリハビリを行います。多いパターンであるのが、胸椎の回旋を腰椎で大勝しているパターンです。胸椎は簡単に言えば回旋、つまり捻りが得意な骨です。しかし、胸の筋肉の硬さや猫背姿勢などによってひねる動きができなくなってしまう方が多くいます。体をひねった時、胸で捻れないとどこで捻ろうとするでしょうか?そう、腰椎で捻ってしまいます。腰椎は捻ることが苦手な骨なのですが、仕方なく捻られることで腰椎の不安定性につながってしまいます。この場合は腰椎の安定性を出すために体幹を鍛えても胸椎の動きが改善されなければ腰椎の不安定性は改善されません。
上記の場合以外にも股関節や膝、足首の代償をしている場合もあります。どこの代償として腰が動いているのかを適切に見極め、腰椎以外の動きを引き出していくことが腰椎の不安定性の改善につながります。
リハビリで変形は治る?
今まで腰椎の不安定性に対してのリハビリを記述しました。これらは全て不安定性を取り除くことで腰椎の変形を食い止めるという考え方になります。ではこういったリハビリで変形を取り除くことはできるのでしょうか?
残念ながら、リハビリをすることで骨の形を元に戻すことは不可能です。骨棘など、もしできてしまって神経に触れている状態であれば、手術をして除去していく必要があるので注意が必要です。なので、元には戻らないんだということを前提としてリハビリを進めていきましょう。
まとめ
赤西さんが公演を中止するに至った変形性腰椎症についてまとめました。これは多くの日本人が抱える問題でもあり、身近な病気でもあります。腰痛できになる場合には近くの整形外科を受診しましょう。